仏教講座スケジュール

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真っ赤なトマト――人生の価値を決めるもの

今週末の教室は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★
●9月20日(木)午後2時~4時 生き方としての仏教講座 巣鴨地域文化創造館
●9月22日(土)午後2時~5時 土曜午後のおとなの寺子屋  テーマ自由の仏教学習会
●9月22日(土)★午後6時半~9時 夜の禅瞑想の会(禅エクササイズと法話) ほか
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9月19日(水)
●この連休に、宮城石巻からひとりの男性が来ていた。

知りあったのは、今年冬の代々木の炊き出し。
その頃男性は、神奈川で警備員をしていて、夜勤明けにボランティアとして炊き出しに参加していたのだった。

3月の津波で、自宅は流されてしまった。
父親はショック・心労が閾値を越して大きな手術をした。
一か月以上してようやく再会できて、男性は、石巻に戻ることを決意した。
父ひとり、子ひとりで、今仮設住宅に住んでいる。

私は、男性の背負い込んだ現実と、それでいてなおボランティアに朝駆けるバイタリティの強さ、というか、その魂の強さに感銘を受けた。

その男性から、先週、石巻でとれたトマトが送られてきた。

新鮮で真っ赤な中サイズのトマトが箱にいっぱい。

近所にもおすそわけさせてもらった。みんなおいしいとびっくりしていた。

男性によると、このトマト農家のご一家もまた、自宅を流されてすべてを失ってしまった。

石巻の沿岸部は、津波による塩害で、作物が育たなくなったそうだ。
道路や建物などのインフラは、あまりに遅いペースではあるが、徐々に復興しつつはあるという。
しかし、田畑は恢復が難しい。土壌に沁み込んだ塩は抜けない。

農家のご一家は、内陸に辛うじて土地を借り、そこでトマト作りを始めたという。
その収穫を送ってくださったのだ。

トマトの果汁がこころよく腹に沁みてきた。

農家の収入は“以前の3分の1”に激減し、貯金は減りつづけているという。
気持ちはそうとう滅入っているというのが実情らしい。

その一方で、「今年の収穫は、味がまだまだ」とも語っているそうだ。
農家の人たちは、「自分が理想とする味」を求めて作っているのだという。

すごい志。

男性とは、ファミレスでたっぷりと話しこんで、新宿で別れた。
夜行バスで7時間かけて帰って、また仕事なのだそうだ。

自分の生活ひとつでたくさんの気苦労があるのに、それ以上に、石巻で何ができるか、農家の人たちの今後をどうするか、とかいろんな課題を語りつづけた。聞いているとこちらも楽しくなってきた。

近いうちに石巻にいけたらいいね、という話をしている。きっとかなうことだろう。

ただ、これはどんなはたらきについても言えることだと思うけど、
自分がこれをやりたいから、これをやるために、彼の地に行くというものではないと思う。
自分自身の動機というのは、邪念とさえ思っていいのではないか。

いつも、相手を見て、きちんと正しく理解して、受け止めて、そのうえで、何ができるか・何をすべきかを考えてから、はじめて具体的な行動が出てくるのだと思う。

仏者の流儀としていうなら、「いつも正しい理解から」である。

行動するときは、自然に、静かに、むしろ”匿名のつもり”で動くといい。

さしだすべきは、“自分”ではなく、“はたらき”なのだから。
そのほうが、“善きはたらき”ができる可能性が高くなる。

男性とのつながりは、私が日本に帰ってきてさずかった賜物のひとつである。
ようやく自分自身が育んでいくべき、本当のつながりが見えてきたかな、と個人的には感じている。

命つづくかぎり育てるべき“つながり”がひとつ見つかれば、人生は生きていく価値がある。

このつながりは、私の人生にとってのトマトなのだろうと思う。