仏教講座スケジュール

●古い仏教のイメージから自由になりましょう。心の苦悩・現実の課題を越えてゆくことが、最も大事なこと。思い込みを捨てた時に、ブッダの教えの真髄がみえてきます。
●全国行脚、まもなくスタート! 講座、個人相談、法事など、ご希望者はご連絡下さい(クリック)
●仏教講座のスケジュールはこちらをクリック。 
●メール通信、配信中。
①お名前、②都道府県、③近況(本の感想・知ったきっかけ等も可)をひとこと 書いて koudounosato@gmail.com まで。※フリーメール着信拒否の設定になっていないか、ご確認ください。
●廃寺・空き寺・日本家屋を募集中! 生き方と教育と仏教をひとつの場所で――ご提供くださる方、ぜひご連絡ください。

みちのく旅日記1~いざ宮城石巻へ!

いざ宮城石巻へ

●5月29日 
早朝、石巻入り。地元のひとが迎えてくれる。駅には石ノ森章太郎の漫画キャラがいっぱい。彼は宮城出身だったんだ(どのあたり?)。
今朝は風が強くて肌寒い。灰色の空。

日和山公園にいくと、石巻市街が見渡せる。たくさんの暮らしがあった場所は、今は空漠の更地に変わっている。

北上川をわたる大きな橋の上を車が走っている。大きく高い橋なので車が小さく見える。津波は――あの巨大な橋のてっぺんにまで届かんばかりに不気味に盛り上がり、街一帯を呑み込んでいったそうだ。

これは三日目の快晴の日の写真。津波当日は雪の寒さ・・・。
かつて住宅地だったという区域へ。ペンペン草が勢いよく生えるほかは痕跡もない。近くに見える家々もひとは住んでいないという。ここ一帯はかつては民家が立ち並んでいたそうだ。それを根こそぎ流してしまう水の威力。想像つかない。



●仮設住宅の集会所へ。3日間ここにお世話になります。

曇空のせいなのか、仮設住宅地はどことなくひっそりとしていて、住人の気配があんまりしない。150世帯、500人近い方々がここで生活しているのだそう。

集会所ではときおり催しが開かれる。食事会とか研修とか。ただ出てくる人は限られている。どの部屋にどういう人が暮らしているのか把握しきれていないともいう。

車を持っている世帯は約半数で、買い物用のバスも本数わずか。外に出ることなく自室で静かに暮らしている人も少なくないのだそうだ。

たとえばこの住宅地にいる人たちとつながりを作ることって、どうすればできるのだろうとふと思う。簡単ではなさそう、というのが第一印象。


●午前は涌谷町(わくやちょう)の箟峯寺(こんぽうじ)を訪問。天台宗のお寺。

みちのくの地は、仏教・神道・土地の神様・シャーマン信仰(精霊・彼岸・死者とつながる力への信仰)・祖先崇拝などが混交して、独特の精神世界を醸(つく)りあげている感がある。信仰と世俗、彼岸と此岸、冥土と娑婆とが人々の意識の中でつながっている―ーこの地の寺社にはそう思わせる幽然たる空気がある。

住職さんが寺の由緒をくわしく教えてくれる。

私は宗派を持たないし伝える仏教のなかみも違うけど、お坊さんの話を聞くのは好きである。彼らの言葉を通じて、日本人がどんな世界観の中に生きてきたのかが見えてくる気がするから。

その寺でお会いしたのが、地元涌谷町出身の映画監督の大和優雅(やまとゆうや)さん。『つるしびな』という映画でデビューした人。

映画の世界というのは、縁の下で支える無名のスタッフがたくさんいると聞いている。大和さんもまた大学卒業後に助監督として映像の世界に入って、以来黙々と、無名の下積み時代のなかでご自身の想念をカタチにするすべを集めてきた。三十代半ばをすぎてようやくオリジナル映画を発表するチャンスを得た。

表現者の話を聞くことはこの上なく楽しい。ひとりの表現者の、過去の道のりや表現スタイルなどを聞くことで、自身がインスパイアされるからだ。

私自身の表現は言葉そのものである。だが大和さんは映像で自身を表現する。興味を感じたのが、自分が脚本で表した言葉(セリフ)と、撮影した映像との間に、「ギャップ」みたいなものはないのかな、ということ。

どれくらい外に表れたものに満足しているのか――日頃自分の言葉にダメ出しすることの多い私としては、聞きたくなるテーマだった。

大和さんは、自分の脚本の言葉にこだわってはいないそうだ。映画において脚本というのは演技の土台にすぎない(だから台本というんだね)。むしろ役者さんの演技と撮影によってはじめて脚本が完成するといっていい。実際、撮影が始まると、脚本の言葉は役者さんの感想によって書き換えられていくそうだ。

大和さんの話が魅力的だったのは、役者さんやスタッフのみなと一緒に作っていく、という感じが明瞭に伝わってきたこと。実際に撮影して、編集して、その後の公開に向けての準備やプロモーションもみなで力を合わせてやって、というその途中の作業の楽しさ・あたたかさが伝わってきた。

大和さんのデビュー作は、2011年の一般公開に向けて準備中だったのが、あの3月の震災で大幅に展開が変わってしまった。あの震災がなければ、という思いはあるのだそう。でも震災を越えて映画も、その後の大和監督の活動も、ごく自然に生き続けている。そのバイタリティ、創造への情熱が心に残った。


映画『つるしびな』ストーリー http://tsurushibina.jp/story.html

私としては、老いた父とシングルマザーとして子供を育てている娘との葛藤を、二人が“乗り越える”瞬間に興味があります。そこに大和監督の人生観、観る人へのメッセージが託されているのだろうな、と思う。

予告編 http://www.youtube.com/watch?v=ooaPnm5sZzE