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みちのく旅日記4 ~女川町

5月31日

女川町へ。入江から内陸へと建物と家が並んでいたそうだが、今はきれいな更地になってしまっている。根こそぎひっくり返された三階建ての建物が転がっている。

高台に町立病院がある。そこに行くと、女川の町がよく見える。車ははるか下を走っている。

津波はこの高台にまで達して、病院の一階を水で舐めたそうである。

美しい海の色。横たわる三階建ての建物。

病院の敷地から。あの車の位置からここまで海は来た。
 
高さ十五メートル――数字では想像つかない。ここまで高い場所にまで達した水かさの凄まじさも、今ひとつピンとこない。

車で道を通る。あの日達したはずの水の高さを想像すれば、今自分のいる場所は黒い激流のはるか底である。だが目の前の女川の海はとても穏やかで碧くかがやいている。どうにも実感がわかないのである。


●地元でお会いした女性は、地震のあと、ふだんは見えない海の底がみえたという。

津波が来る、というのは知っていたから、急いで車で家に戻った。父親を拾ってそのまま山裾の道を車で駆け上がった。

せり上がった波が女川の湾内に入ってきた、と思いきや町を無表情に呑み込んでいった。

その瞬間、波の上が白くかすんで町のいっさいが見えなくなった、という。

沿岸に山を背にして立っていた自宅は根こそぎ流されてしまった。

つれていってもらったら、ほんとに何もなかった。


地元のお店で海鮮丼をいただいた。なんといってよいか・・・・これは希望?


●石巻に戻って、初日にみた大橋を越えてもらった。海面よりはるかに高いのに、海全体がここにまでせり上がって寄せてきたのである。想像しろといわれても難しいし、当時の人々にしても予測つかなかったであろう。

あまりに非日常なのだ。これは体験した人にしかわからぬ。呑まれた方々にしかけしてわからぬ。


地元の更地に慰霊碑と、花束と、「がんばろう!石巻」の言葉。

言われる側の人にとっては、とまどうしかない言葉かもしれない。

この現実に対してどう向き合えばよいのか、いまだわからぬ人もたくさんいるだろうと思う。
あの日からずっと時間(とき)が止まってしまったように感じている人が。

今回めぐり逢ったなかにはそういう人もおられたように思う。
ずっと心が止まっているかのように感じながら今日をすごしている人が。

心に残っているのは、そういう方が、なにかの話題でふと笑った表情。素敵だな、と思った。