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インド編 いきなり大事件

11月10日
こんにちは、草薙龍瞬です。
今、インド・ナグプールにいます。

今回もまた「いってきます」をお伝えするヒマもなく旅立ってしまいました。

旅立つ直前に、何人もの方から、行ってらっしゃいとのエールや、新刊の感想などをいただきました。とても励まされました^^。ありがとうございました。

おひとりずつ返信差し上げたかったのですが、時間がなく……。

今回は、季刊誌最新号を刷って全国への発送を終えたのが朝6時半で、それから荷造りして7時半に羽田へと向かいました。前回のインド行きとまったく同じ「完徹(完全徹夜)」となってしまいました(@@)。

直前にここまであたふたするなら、もっと前もって計画的に作業を進めておけばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、私は前もって予定をたてるというのがとても苦手です。

なんでかというと、仏教を実践しているから……つまり「今この瞬間を生きている」からですね(そういうことにしてください(笑))。

日本では、今回のように本を出していただいたり、仏教講座や研修をさせてもらったりと、自分なりの仏教の活かし方を伝える活動をしています。

では、インドに入るとどんな活動が待っているか――。

最初の夜に村にたどり着いたとき、ラケシュの家では、大勢の男たちが集まって議論をしていた。バンテジー(お坊さん:私のこと)の意見も聞きたいからとそのまま席に通された。

聞けば、とある村でダリット(不可触民)の3人が殺されて、バラバラに切り刻まれて井戸に捨てられた。

その3人は、400世帯あるその村にわずか1世帯の不可触民カーストの家族だった。殺されたのは父母と19歳の長男。犯人は不明。警察は動かず。わずか3週間前の事件。

「なんとか世界にこの事件を知らせたい」と言う。「どうすればいいか?」と聞いてくる。

まずは各地でデモを挙行し、市役所や警察署の前で抗議をし、リーフレットを配る。過去に起きた同じような事件(2006年のカイランジ事件。このときは父親を除く4人の仏教徒の家族が村人に殺された)での運動家に連絡をとってアドバイスを受ける。これから先は毎年、犠牲者を弔う行事を行う――。さっそく一週間後に市街でデモを挙行すると決定。

ラケシュの家で話し合っているところ。向かい右がラケシュ。赤僧衣が龍瞬。
なんとも痛ましい事件。2006年のカイランジ事件では、市街の車や電車に火をつける全インド規模の大騒動に発展した。外を出歩くのは危険だと佐々井師に言われて、居候先の家で過ごしたことを覚えている。ちょうどインドに渡ってばかりの頃だった。

あれから8年たって、また同じような事件が起きた。インドではカースト、そして宗教間の対立がどこまでも執拗に続く。

こういうとき、いかにして宗教的な対立に発展させず、またカースト意識を逆に刺激するような発言は避けて、「人間としてしてはいけないことは絶対にしてはいけないのだ」ということを伝えるか、が重大な意味を持つ。これは知恵のいる仕事。

これから毎年、過去に起きた同じような事件の犠牲者も含めて、追悼する儀式を行うことだと提案。日本では夏の終わり、そして3月11日にやっていること。この地でもやるべきである。そして静かな、しかし力強いメッセージを送り続けることだ。

来年1月の式典で、さっそく追悼の儀をやることにした。私は僧侶だが、仏教という枠を超えたメッセージを、この地の人たちと共有する役割を果たしたい。

その席にいた3人の男性が、大きな寺院を作りたいと申し出てくれた。1ヘクタールの土地も寄贈してくれるとのこと。

その寺は、24時間動ける「前線基地」のような場所にしたい。こういう事件が起きたときに人々が集まって議論し、手分けして作業して、社会にメッセージを発信していく。そういう寺があっていい。

日本では、仏教講座、法事、本の執筆、教育と、できることを果たしていく。

そしてこの地では、法事やNGO、幼稚園運営、水プロジェクト、そして今回のような事件が起きた時の「闘争」すなわち社会派の活動を繰り広げていきたい。

私自身は正直それほど作業能力が高くない。生活力がない(端的な例でいえば自炊ができない(笑))。でもこの地では、有志たちと手分けして取り組むことで、いろんな事業が着実に進んでいく。

印象的だったのは、「リーフレットを作ろう」という話になったときに、みなが持ち合わせのおカネを、ほんと自然に出し合ったこと。多いひとも少ない人もいる。出さない人も多い。でもみんな自然。出さなくったって、参加するだけで意味があると知っている。労働という形で協力する人もいる。さりげなく自分にできることを通じて、何かを共にする(行う)。

今回さらに印象的だったのは、日本人向けのゲストハウスの工事がかなり進んでいて、幼稚園の校舎も工事が進んでいて、簡易トイレも設置されていたこと(特に女先生たちのためという)。水プロジェクトも、一日も休まず続けられていた。

正直、どれをとっても「赤字」である。青年たちの持ち出し。彼らも私も、おカネを作ることはうまくない。でも善意の動機があるからこうして続けている。びっくりするくらいに、徳が高い人たちがこの地にいる。

日本での活動も、徐々に整っていくのだろうか……。日本でもやはり拠点が必要だ。時機をみて、次のステージに進まねばならない。日本でもできることはたくさんあるのだから。

闘うこと。創造すること。己の役割を果たすこと。

インドに戻ると、いろんなことを学ぶ。