仏教講座スケジュール

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「仏教」を学べば学ぶほど混乱してくるというあなたへ(見極め方)

こんにちは、草薙龍瞬です。今回はQ&Aのコーナー仏教編です。

Q
「仏教では、執着が苦を生むと教えています、わたくしも色々なものに執着し日々実感しております。

ところで、最近ふと気が付いたのです、苦を減らそうと思い勉強し始めた仏教の知識や方法、概念などに執着してしまい逆に苦を増やしてしまっていると。

例えどんなに良い教えや方法も執着した途端に苦しみになってしまうのだなと。と言うことは知識や方法にとらわれた時点でそれはもう、仏道ではないのでしょうね。如何でしょうか」


A おっしゃるとおりです。ブディズムとは、「心の状態が苦しみである」というところから始まります。

その苦しみを解消すること、克服すること――苦しみからの解放――それが「目的」です。

その「目的」だけは、けっして忘れないこと。それが、ブッダの教えをモノにする(つまりは自身の幸福に役立てる)最低限の条件になります。

「目的」があって、それに役立つ「方法」がある。

方法とは、たとえば「苦しみから抜ける方法」(四聖諦として指摘されたもの)としてのサティの修行や「八正道」の実践だったりします。 「智慧」――効果的な方法――と呼んでもいいかもしれません。

それを心がけて、自身の心の苦悩・渇き・満たされなさを越えていく――最後はそうした「解放」にまっすぐにつながっている――からこそ、「仏道」(ブディズムという心の使い方・生き方)たりうるのです。

だから、自分にとって「心の使い方・生き方」につながらないものは、自身にとって「道」にはなりません。それは、苦悩を抜けるという当初の目的には役に立たない。

その点で、「本」を通じて得る「知識」「理屈」というのもまた、「道」にはならぬのです。


仏教を学んでいく過程で、じつに多くの人が、あっという間に道を見失ってしまう――迷子になってしまう――ことが起こります。誰かさんの仏教書を読む。そこにたとえば「輪廻こそが仏教の根本だ」なんて書いてある。「ええ?そうなの?」とまともに受け取ってしまう。本当は、輪廻なるものがあるにせよないにせよ、「自身の苦悩を越えていく」ことだけが、ブッダの教えの「根本」であるはずなのに、そこをいとも簡単に忘れてしまう――。

「仏教」を語る多くの言葉は、①自らの苦しみを越えていくことを目的にせず、②自身が確かめたわけでもないことを、なぜか金太郎飴のごとく、「お釈迦さまの教え」「仏典に書いてある」ということだけを「根拠」にして発せられている。


どちらも、ブッダ自身が「あてにするな」と、厳に注意していたことなのに……(ブッダ最後の旅)。

そもそも――自身の目的にとってそれはどのような意味を持つのか。役に立つのか。確かめうることなのか。

そこがあいまい。というか、「思考の組み立て方」として、そうした(ブッダ本来の)視点が欠落しているように映る。

率直に言うなら――自身が苦しんでもない、苦しみを越えてもいない、そしてだれかひとの苦しみを本当にやわらげよう、抜けるきっかけにしてもらおうという動機のない「仏教を語る言葉」というのは、はて、どれくらい耳を傾けるに値するのだろうか?


ブッダ最後の旅(マハーパリニッバーナスッタ)から多少引用してみよう――

「智慧とともに成長した心は、さまざまな心の汚れ(反応)、すなわち欲望ゆえの汚れ、結生して続くに至った精神状態ゆえの汚れ、見解(≒知識・見解)ゆえの汚れ、無明(≒心の状態や原因が見えない)がゆえの汚れから解脱する(≒自由になる)」。

 ここで重要なのは、知識や見解――モノの見方――もまた「汚れ」(苦しみを作り出す反応)として挙げていること。なぜなら、「苦しみから抜けること」が目的である以上、特定の見解にとらわれることには「意味がない」からである。

「私は、教義によって、学問によって、知識によって、戒律や道徳によって、心の清浄・安らぎに到達できるともできないとも説かない。そうした判断を捨て去り、こだわることなく、迷いの生存(≒あれこれと考えて、反応してさまよいつづける精神状態)を作らない」Suttanipāta838-839

 ここで重要なのは、「心の清浄・安らぎ」を目的として語っていること。その目的に役立つ、合理的な、効果的な「方法」のみこそが必要なことであって、それを欠いて、特定の教え・知識・見解・理屈を追いかけるのは無意味である、と語っている。

「どのような理屈であれ、心の苦しみを解くうえで役に立たないものは、無意味である」
それが、いかなる観念・知識にも頼らない・執着しない「めざめた人」の発想。


「ブッダの教え」なるものを語っている人・本が、何を語っているにせよ――その人がどれだけ学識豊かにみえて、「実践している」ことを自称し、「ブッダの教えとはこのようなものだ」と確信をもって語っているにせよ――

その人が苦しんでおらず、また苦しみを越える道を成就しておらず、
あるいは(成就したかどうかは自己申告だから説得力がないので(笑))
苦しみを越える方法を、きちんと相手に伝える能力がない・効果がない

――つまり実際に、その言葉を追いかけても、苦悩は解けない――

のであれば、

それは、ブッダの教えを語る言葉として正しくはない。


ときおり聞く質問に、「輪廻を説く仏教」と、「輪廻を説かない仏教」とはどちらが本当は正しいのか?というものがある。

端的に言って、それはどちらでもよい(笑)。信じたければ信じればいい。あるいは、自身の苦悩を越えるうえで役に立つなら、それは自分にとっての真実たりうる。

めざめた者は、特定の見解にはこだわらない。ほんとうに、どうでもいい、というか、どっちでもいいのである。だって、言葉でしかないから。

「ナンダよ、かの修行者・バラモンたちはみな、見解(知識・解釈・ものの見方)によって、言い伝えの学問によって、戒律や宣誓の儀式によって、清浄になると説く。

だが彼らがそれに基づいて自らを律し、実践していたとしても、生老病死の苦しみを乗り越えたものではない、と私は言う。

そうしたさまざまな対象をすべて捨て、求める心Tanhaをよく見尽くして(完全に理解して)心に汚れのない(≒苦しみの反応を残さない)人々――彼らこそは“煩悩の流れを乗り越えた人”(=自由になった人)と私は説く」Suttanipāta

――そう、煩悩の流れを超えること・自由になることこそが、ほかならぬ本人にとって最も確かな目的のはず。結局、知識・観念から抜け切れていない人は、「これが仏教だ」という言葉を鵜呑みにして、そもそもの道(目的)を忘れてしまう。あるいは、「私は悟りました」とか「これが自分が実践・体験したことです」という言葉を、まともに受け止めてしまう(^ ^;)。

実際には、その「仏教」「悟り」「実践」「体験」なるものが、「思考(観念)の域をまったく越えていない」ことが問題なのである。思考から自由になった人には、「越えていない」ことはすぐにわかる。しかし「思考」に囚われてしまった人には、それが見抜けない。一見もっともらしく聞こえる理屈を、簡単に信じてしまう。

かくして、ただの理屈を追いかけたり、他人の言葉を盲信したり、「自分は一生懸命学び、実践しているつもり」なのに、心の渇きはいっこうに癒されないということが起こりうる。


言葉だけなら、なんとでもいえる。問題は、その言葉がもたらす現実の効果であり、その言葉を発する側・受け止める側の「目的」である。

「目的」が、苦しみからの解放・癒しであるのか、ただの「仏教の知識」であるのか――後者にいつの間にか囚われていないか――よくよく考えてみてほしい。


「みきわめるのが難しい」って? それはそうかもしれない(笑)。

そういう人は、数ある「仏教を語る言葉」について、ひとつだけ、「よく見つめてほしい」点がある。それは、その「仏教」が、本当に、ひとを苦しみから解放するという目的のために語られた言葉であるのか、である。そうであるなら、その言葉には真実味がある可能性がある。

真実の言葉とは、自身が苦悩を知り、苦悩を超え、またひとの苦悩を感じつづける努力のうえにしか開けないもののような気がする。

私はせめて、その努力を続けたい。仏教を語る言葉は多様であってよいと思うが、私自身の言葉は、「苦悩を癒す上で役に立ちそうだ――これは「智慧」の言葉だ」と感じてくれる人に届いてくれればよい。

仏教を学んで混乱してきた人がいたら、「自分にとっての仏道――ブッダの教えに基づく生き方――とはなにか?」を、自問してみてください。

いや、もっと正確にいえば、何が自身にとっての目的なのか。
そのための方法として確実に腑に落ちるものは何か。

それを問い続けて下さい。答えはそれほど難しくありません(笑)。

とりあえず、本やネットの時間以上に、「心を見る」時間を持つことです。


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